15年来のかりそめの自分、ちょっと違う自分に出会う 扉2
「物を減らすと心が潤う」は本当だった!戸棚2
昨日は 昔々集めた、レシピや料理本
料理苦手さんの、新婚当時からの
「やらねば」と頑張った証拠の品々のプチ朝断捨離
http://sakurako.tv/post-1596.html
私と料理の関係はいまだ不透明で
バチっと「片」はつかなかったのだけれど
今日は、そのおまけのおはなし
レシピの中に混じっていた むかしむかし、実家の近所のケーキ屋さんでもらった
「おいしい紅茶のいれかた」
この、断然「気」があがってきたキッチンで
十数年ぶりにこれを見て、突然思い立つ
そうだこんなふうに紅茶をいれてみよう
いつものマグカップじゃなくて
ティーカップで飲んでみよう と思い立つ
ティーカップといえば!!
かれこれ20年以上も前にロンドン一人旅をしたとき
ちょうど町をあげての(?)陶器市
目移りして結局
ひとつだけ 自分のぶんだけ買うことにした
いいよ 少女趣味と笑うならそれで
でも、子供の時にも持ってたな 白地にばらの絵がかかれたティーカップセット
大好きだった ほわーんと夢心地で
好みなんだろうねそういうのが本当は
大人になって 夫の好みもあって
ニューヨークらしく
カルバンクラインみたいにシンプルな路線(?)
大人っぽくならなくちゃ と どこかで思ったものの
本質は
ピンクや薔薇やらが大好きな
少女趣味がタイプだったんだ〜
ずっと、なんか忙しくてバタバタして、そんな余裕もなく
このカップを出してきて、それでゆっくり紅茶を入れて飲むなんてこと、
思えばしたこともなく
第一 物があふれる空間で
そこだけ「ていねいな暮らし」を投入してもねぇ
そんな気にならなかったんでしょう
このカップを持っていたこと自体
わーすーれーてーたー !
で、とりあえず試しにそのカップで、そのケーキ屋さんの説明書どおりにいれてみたら
お、おいしい!
すごーくおいしい 気がする
そりゃあそうだ
部屋も頭の中も、かなりがらくたをへらした状態で
6割満足でも ありの一歩ずつでも毎日少しずつ進化してきた空間で
誰がなんといおうと
子供の頃からの好みのカップで
ひとつずつの手順をふんで、丁寧にいれた紅茶
おいしい、うれしい、かわいい、テンションあがるぅ〜
すごく「濃い」時間
おいしくてあたりまえ といえば 当たり前なのかもね
大学入学と同時に関西のテレビやラジオ局で
リポーターとして仕事をはじめて
それから何年も何年も外で走り回りながら
そんな外で活躍する 「忙しい自分」がいつしかアイデンティティーとなり
それを自慢にも誇りにも思ってた
成功の証 目標達成の証 自立の証
だから
「私にそんな暇なんかないのよ」と、毒づきながら
でもどこかで、ちゃんと味わうことのなかった
何気ない日常のていねいな時間の豊かさにも
どこかでうすうす気づいてはいたんだろうし
憧れてもいたんだろうな
だから捨てずに持ってた 「おいしい紅茶の淹れ方」
ただの紅茶なのに、10数年、それをみて淹れてみることもなく、、、
40さいまで独身 自分の力で食べていた
結婚して、食べさせてもらうようになった
いわゆる世間から「専業主婦」と呼ばれるようになって15年
私はずっと
アイデンティティークライシス
だったんだと改めて気がつく
結婚して、高齢にもかかわらず子供が欲しいと思った時点で仕事をやめ
それまでの人生の中で初めて
時間もお金もある という恵まれた状態になった
だから
そんな豊かな時間なんて たっぷりあったはずで
もちろん表面的にそんなフリの時間はたくさん過ごした
でも心の奥底ではきっと
私は自分に許してなかった
そんな 心底ゆとりの時間にどっぷりつかってしまったら、
それでは本当の自分ではなくなる
くらいのこと思っていたような気がする
最後の譲れない一線を守るような 必死さでね
ばかみたいだけど
そうだったんだ
外にでて自分の仕事をしてなんぼ
それでこそ私
母の部分はのぞいたとしても
有閑マダムである部分は絶対に受け入れられない
「かりそめの姿」
働かざるもの食うべからず と思うから
花嫁修行もせずに遅ればせながらなった苦手だらけの花嫁業を
「やらねばならない」と、やってはきたものの
腹をくくって 受け入れてないから
ずっと自分に
「間」
をあげることを本当には許してなかったんだ
ゆったりとした
時「間」 空「間」
2016年は、
表で何かする プロジェクトの予定を入れるということを
人生で初めて断捨離した
その時間を使って年頭から本気で取り組んでる プチ朝断捨離
あんなに怖かった
時間がたっぷりある、つまり「暇人」だの
その時間を使って、いそいそと片付けを毎日やってるだの
自分的には有りえないんですけど!!!
でもそのあり得ないことに白旗あげて 飛び込んだら
今まで
どんなに外で何かを達成してもすぐにあやふやになる自分の中にあった穴みたいなのが
なんだか詰まってくる感じがしてて
紅茶いっぱいで
ひたひたとこみあげてくる穏やかな幸福感
薄味ながら「濃い」時間
なんだこりゃあ
くらいの衝撃